多くの人たちは、ふだんの生活の中では抑圧観念を無意識下に抑え込んでいることが多い。
だからこそ、一日のうちでたとえわずかな時間でも、パーッと抑えられていた抑圧観念を表に出すときがあってもいい。
いや、むしろ現代人にとってはなければならないとさえ思います。
ただ、外から見えないというだけなら、家の中の風呂場でもトイレでもいいはずだ。
だがそうではなく、車の中でこそ抑圧観念を表出できるのは、車の中は外からは見えないが、こちらからは外を見る楽しさがあるからです。
そこには、自分は車内にいて世間から一歩離れているのに外の人たちは社会的制約の中にいるということに対する、一種の優越感が働いているのかもしれない。
あるいは、車の外へのいわゆる"路上観察"的な興味、ちょっと下世話な表現を使えば"覗き見趣味"的な感情を満足させられるからかもしれない。
いずれにせよ、ときどきしか車に乗らないマイカー族ならいざ知らず、毎日長時間運転しているタクシーやトラックのプロドライバーは、運転席でふと煙草に火をつけ周囲を見回したときがいちばんホッとする、といっています。
これらは、合宿免許後にほとんどの人が経験するそうです。