前回の続きですが、その老人は、今度は毛布をかみ切り、布団の綿を口に入れはじめたそうだ。
そこで今度は両腕を、手先の自由だけはきくように上腕部で固定し、毛布や布団を腹部の位置までしか掛けないで手が届かないようにした。
するとなんと、老人は左手のほうにある壁(!)を瓜で削りとり、口に入れて食べたというのです。
何がなんでも食べてやろう、という"異食"への執念には圧倒されるものがあるが、病院側の、何がなんでも食べさせまいとする執念も、すごいものがある。
今度は、瓜で壁を削れないよう左手に手袋をはめた。
もちろん自分で脱いでしまわないよう、手首にはひもをつけて......。
果たしてこれは、問題の解決だろうか?
手袋つきでベッドに縛りつけられているよりは、廊下や病室を歩きまわりながら、三角コーナーの茶ガラを食べているほうが、私には人間らしく思えるのだが。